「どうしよう、夏希は見てほしい?」

「私?私は……見てほしいかな?嫌だったら見なくてもいいけど、本当の姿はこの姿じゃないから……」

「そっか。……私も、夏希の本当の姿、見てみたいかも」

「本当!?なら、戻るね。……あ、ちょっと小さくなるけど、踏まないでね」

と、夏希は笑った。

「踏まないよ。そういえば、言葉はそのままなんだよね?」

「うん」

そういうと夏希は目を閉じた。


少しすると、夏希の周りが白く光りはじめた。その光に私は思わず目を瞑った。


目を開けると、目の前にとても美しい生き物がいた。

「……な、夏希?」

「うん、まあ本名は夏希じゃないんだけどね……笑」

「そうなの?なんて名前なの?」

「私の本当の名前は、マリア ミラ。でも、これからも、夏希でいいよ?」

「うん。あ、そういえば服の大きさもかわるんだ~!」

「うん!」

「すごいね。もう、なんでもありだ………」

「そうでもないよ?出来ないことも多いし。魔法も限りがあるから」

「へー!あ、まあでもそういう説明はいいよ?難しそうだし。理解できなさそう……笑」

「わかった。……ところでこの姿…どうかな?」

「きれい!!このきれせはどう説明しても、実物の方がきれいだよ」

「本当に!?ありがとう!でも、そこまで言われるとちょっと照れるよ、笑」

「ところで………夏希はなんでこの星……地球にきたの?」

「…あ、それは、お父さんの仕事の都合!」

「そうなんだ。………そ…れで……さ、この本はなんなの?」

「………」

「あ、あの、言いたくなかったらいいんだよ?無理に言う必要は、な…」

最後まで言う前に、夏希の言葉にかぶっていえなかった。

「そうじゃないよ!そうじゃなくて、なんて説明したらいいか………。…あ、魔法グッズ!!私の宝物なんだ!」