『おっきろ~あんぽんたんっ!!!』


ひどい罵倒に目を覚ます。


「あんぽんたんじゃなくて、ただのバカだもんっ!」


『そんな意味変わらんだろう!』


「変わるっ!大事!!」


『いいから、さっさと準備せんかいっ!』


目覚まし時計兼使い魔のサリーに怒られる女の子。
そう、それは・・・
ジャジャーーーーーーン!!!!!森羅 美桃沙~シンラ ミモザ~でーす!
白魔法使いの女の子だよっ!


『なーにがジャジャーンだ!』


「サリー、違うよ。伸ばし棒が足りない!」


『そんなの知るかーー!』


でーも、ただの女の子じゃないんだなっ!


『お前、無視したな・・・』


恨めしそうなサリーの言葉を華麗に無視しちゃうもんね!


「そう!私の両親は白魔法界の王様の側近なのだ!!」


そんなにすごいなら、なんで地獄なんだって?

・・・、わたしはね、なぜかそのすごい家族にいながらその魔力を受け継いでいないみたいで・・・すっごいカスなの!!

だからみんないじめてくるんだ。
いじめるって言っても、嫌みが大半なんだけどね。

『両親すごいくせにおまえカスだなー』

『側近の娘とかあり得ない、笑えるんですけど』

『生徒会長の面汚し』

生徒会長って言うのは私のお兄ちゃんのこと。

森羅 亜紀斗~シンラ アキト~

この白魔法学園の生徒会長であり、側近の補佐でもある。

お兄ちゃんは能力がすごくて、小さい頃から両親のお手伝いをしていたらしい。
小さい頃の記憶全くないから、聞いた話なんだけどね。
そんでもって生徒会長とか言うくらいだから、顔はイケメン。

でも、私は亜紀斗お兄ちゃんのことはよく知らない。

能力を受け継いでいない私はオンボロランク。
生徒会長の亜紀斗お兄ちゃんはエリートランク。(通称SSランク)

見て分かるとおり、雲泥の差。

家で会えるだろって?

わたし、幼くして家から出されて寮暮らししてるの。
最初は寂しかったけど、今は全然!
のびのび出来るし、家族に迷惑かけなくてすむから!


『迷惑かけられてる人ここにいます!!』


そんなこんなで結局両親とも亜紀斗お兄ちゃんとも皆無なほどに話したことがない。

そんなことぶつぶつ言ってないで学校行かなきゃね。


『そうだ、そうだ!とっとと学校行け!!』


使い魔も口悪くていじめてくるし・・・。


『いじめてない、教育だ』


「教育って言葉って難しいね!」


『難しくねぇ』


「まぁ、お口が悪いこと!」


『うぅーぜぇえー!!!!!!!」


今日も使い魔の雄叫びが響き渡る爽やかな朝です←