そして、放課後。


「ゆーらちゃん、おまたせ。」

「あっ、真田先輩!」

「あれ、綾瀬は?」

「あー、悠ならついさっき先に帰ったような…。」

「ふーん、そっか。」


じゃあ行こ、と真田先輩は私の手を引いた。


「ちょ、先輩っ、手っ…。」

「はぐれたら困るでしょ?」

「ここ学校内なんですから、はぐれないですよっ…!」


私がそういっても、真田先輩は結局手を離してくれなかった。

真田先輩にとっては軽いスキンシップくらいの気持ちでも

私にとってはそれ1つで心臓が飛び出しそうになるくらいドキドキすることを

きっとこの人はわかってない。