「ここ?」

「あ、はいっ。今日は、ありがとうございました。」

「こちらこそ。いきなり誘ったのに付き合ってくれてありがとうね。」

「そんなっ、全然。ケーキおいしかったです。」


またね、と手を振ってくれる真田先輩に手を振り返しながら

私は家に帰った。


「あー…、ドキドキしたっ…。」


あんなにドキドキしたの初めてってくらい

心臓がドキドキしてる。


「ゆらー?帰ったのー?」

「あっ、はーい!ただいまー!」

「悠くんは?一緒じゃないの?」

「悠?あ、うん、今日は一緒じゃないー。」

「そーなの?」


お母さんは、珍しいこともあるのね、と呟いた。