そして、クリスマスイブ前日。


「ごめん悠、今日は先に帰ってて?」

「どした、なんか用事あんならつきあうけど?」

「んーん、りのちゃんと約束してるの。」


…ごめん悠、嘘です。

ほんとは真田先輩に呼び出されてるんだけど

そんなこと言えない。


「ふーん、んじゃあ先帰るわ。」

「う、うん、ごめんね?」

「いや、別に。…明日の朝、家行くから。」


私はわかった、と言って

悠の背中を見送った。