「お、男の人が甘いもの好きなんて珍しいですもんね。」


何とか普通に話そうと頑張るけど、もうすでに目は合わせられなくなっていた。

あんな顔見せられたら、もう顔が熱くて目なんて合わせられない。


「あ、ここ。」

「わー!可愛いー!」

「可愛いしおしゃれだから俺は好きなんだけど、ここに男一人はさすがにって感じっしょ?」

「…確かにっ。」


想像したら面白くて、笑いをこらえるのが大変だった。


「ゆらちゃん今想像したでしょ。」

「…ばれました?」

「ばればれ。ほら、入るよー。」


そんなこと言いながら、ドアはちゃんと開けてくれて

私のことを先に中に入れてくれる。

どこまで王子様みたいなんだろう、この人は。