「ゆらちゃんってちっちゃいよね。身長何センチ?」

「155、です。気にしてるんだからちっちゃいって言わないでくださいよ。」

「えー?いいじゃん、ちっちゃいほうが可愛いよ。」


少女漫画に出てくるようなセリフをさらっというもんだから

こっちは平常心を保つので精一杯だった。


「学校の近くにさ、新しく店の中でも食べられるケーキ屋さんができたらしいんだけど、知ってる?」

「え、そうなんですか?」

「ゆらちゃんケーキ好き?」

「好きです!」

「俺も甘いもん好きだからさ、付き合ってよ。」


男一人で入ると浮くんだよねー、と笑っている真田先輩を見て

不意にきゅんとしてしまっている自分がいた。