「可愛い子連れてるなぁって思ってたから、てっきり付き合ってるのかと。」

「ち、違いますっ、そんなんじゃないです。」

「そっかそっか。んじゃ俺は部活戻るけど。アリスちゃんは?」

「”アリスちゃん”…?」

「不思議の国のアリスみたいで可愛くない?」

「…それはちょっと恥ずかしいんで、ほかのでお願いします…。」


私がそういうと、可愛いのにー、と言いながら真田先輩は何かを考え始めた。


「じゃあ普通にゆらちゃんね。ゆらちゃんも、体育館戻るの?」

「は、はいっ…。」


俺もだから一緒に戻ろー、と真田先輩は私の横に並んだ。

悠より少し身長が高くて、なぜかふわっといい匂いがした。