「あ、あのー…。」

「ん?」

「し、失礼なんですけど、な、名前きいてもいいですか…?」

「あー、ごめん、こっちこそ。初対面だったね。」

「は、はい…。」

「2年の真田仁[サナダ ジン]。よろしく。」

「い、1年2組、有栖ゆら、です。」


どうしてこの人は、まったく知らない私のことを助けてくれたんだろう。

それともどっかで会ってるとか?


「俺、バスケ部なんだ。綾瀬といっつも一緒にいる子、だよね?」

「はいっ…。悠とは幼なじみで、それだけなんですけど…。」

「あ、幼なじみ。それでいつも一緒なんだ。」


私はその言葉に、いつも以上に強く頷いた。