先輩のものになる前にさっさと取り返してこいよ、と皐は俺に言った。


「でもあいつ、先輩のことが好きなんじゃ…。」

「最後まで鈍い奴だな、お前。」

「はぁ？」

「有栖は初めっからお前のことしか見てないっての。」


いいから今まで通り優しくて、はやく気持ち伝えろよ、と

皐は言った。


「お前らがギクシャクしてるとこっちも困るんだよ。」

「…悪かったな。」