「……お前ほんとバカ!」
『へっ……?』
いきなりバカと言われ呆然とする私。
「全部俺が言いたかったこと話しやがって。」
「俺だって…………去年からずっと…………お前が好きだったんだよ!いい加減気づけよ………っ」
腕が強くなると同時にシトラスの香りがギュッと強くなっていく。
『ええええ!?!?!?』
私は廣川君の言葉にびっくりした。
「確かに最初は興味半分でお前をからかってたよ。でも…お前の楽しそうな顔とか…一生懸命な顔とか……全部可愛いんだよ………!」
『………っ///』
「お前に妬いてほしくて色んな女と付き合ったけど振り向かねえし、疎いし。イライラするし。でも1度も嫌いになることは無かったよ。」
『え、じゃああの絢芽って人は………?』
1番聞きたかったことを聞いてみる。
「………それは………姉貴だよ。」
『ええええ!?!?』
「だから言ったろ、勘違いしすぎだって。」
わ、私……お姉さんに妬いてたってこと!?!?
「電話がうんぬんてさっき言ってたけど、お前姉貴に妬いてたのか?」
廣川君はいつもの調子で悪戯な笑みを浮かべてこっちをみる。

