裏庭に着くと既に彼はベンチに座り待っていた。
スマホを片手に何かを打ってる姿は画になる。
私の姿に気づくと手招きしてくる。
「よぉ。久しぶり。」
『うん、久しぶり…だね。』
私は廣川君の横に座る。
ドクン、ドクン……
心臓の音が鳴り止まないまま沈黙が続く。
「あのさぁ。」
口を先に廣川君が開く。
「この間の件は悪かった。」
『……』
「なんかお前といると何かしらの勘違いとか起こるけど、これだけは言いたかった。」
『……私も最後まで話聞かないでごめんね。何か続きがあったんだよね?』
「……俺、やっぱりお前のこと諦めるわ。」
えっ………
『そ、それって…………』
「お前のことを好きでいると絶対傷つけちまう。安易にキスしちゃったり勘違いさせちゃったり…これ以上お前を傷つけたくねぇんだよ。」
『ねぇ、、』
「だから…諦めるわ。話はそれだけ。話聞いてくれてサンキューな。ゲームは終わらせるから。勝手に始めてごめんな。」
廣川君はそう言って、去っていく。
………折角好きって気づいたのに………遅かったの?
嫌だよ。あのいつもの強引で意地悪な行動とか優しい笑顔とか?全部見れなくなるのは…………ーーーー

