「あーもしもし絢芽?どーした?」
え…?下の名前て…
私の推測だけど…彼女だなと思った。
そうだよね……コイツだって彼女いるのに……邪魔しちゃだめ…………だよね?
電話をし終えた廣川君はこちらをちらっと見た。
『ごめん、やっぱり帰るね?』
そう、私は彼にとって邪魔な存在。なんで気づかなかったんだろ…
「えっちょ、お前誤解してる。」
『誤解もなにも…!今下の名前で呼んでたから…彼女さんいるのに私といたら…ダメじゃん!あと…ノートありがと!』
そう言ってノートを廣川君に渡して私はこの場を去った。
走る勢いで頬から零れる透明な雫がワイシャツを少しずつ濡らしていく。
『……っやっぱり……なんか切ないな………寂しいよっ……』
この気持ち……分かんない……誰か………教えて?

