翌日の朝、私は急いで支度して学校へなんとか時間内間に合った。
8時35分。朝のHRまであと5分少々。
れいなはいつも30分くらいには来ているけど今日は珍しくまだ姿が見えない。
……と思っていたら、れいなが教室にやって来た。
しかもよく見てみると…背後には及川君。
「じゃあ私はここなので。」
「ああ。終わったらまたそっち行く。」
え……放課後デートの取り付けですか………
幾らなんでもしっかり話したのはこないだだし……
展開が早すぎやしません?
私は急な展開に唖然。
ボーッとしていると…
「すずはおはよ」
いつもの優しい声が降りてくる。
『え、ああ!おはよ』
ボーッとしてたせいで返事に出遅れた。
「どうしたの?今日なんかすずは体調悪い?」
何か様子が違うと思えばすぐ聞いてくれるれいな。
あなたほんとどこまでも優しいんだから。
『んー大したことじゃないんだけどね?
れいな最近及川君といることが増えたなって思ってさ。』
「あー及川君のことね。ほんとに体調悪いのかと思って心配しちゃったよ…。」
『ご、ごめん。』
なんか上手くはぐらかされたなぁ……
『あ!そういえば数学の人はどうだった…?見つかった…?』
「それがー見つからなくって……」
それを聞いたれいなは少し落ち込んでる様子だった。
『あ、でもね?数学の人はバスケ部なんだって!』
「え!そうだったんだ。」
『だから、今日その人と放課後体育館で会うことになったの。』
「そうなんだ!じゃあもう正体分かっちゃうんだね…」
れいなは一生懸命私の話に耳を傾けてくれる。
『それで、どうせ正体が分かるならって思って英語のノートを廣川君に借りたついでにその人にもお礼にクッキーを1枚焼いてきたの!喜んでくれるかなぁ?』
そう言った瞬間れいなは目を輝かせて私に予想外の発言を投下した。
「なんか……数学の人のことが好きみたいな言い方だね!すずは、数学の人のことが好きなの…?」
え……それは考えてなかったぁああ!!
確かにクッキーをあげるなんて行為は相手は好きな人ではないのに変かも……
『……ないと思う。……けど』
「……けど?」
『……確かに気になる存在ではあるかな』
私は早くその人の正体を知りたいなと思った。

