~香菜side~
目が覚めると、窓から太陽の光が入りこんで''今日"起きることが出来たことを実感する。
私、田宮香菜は一度眠ると長い眠りについてしまう『眠り姫病』にかかっている。
この病気になったのは高校1年生の冬、突然眠りから覚めない私に両親は驚き、凄く心配させてしまった。
この病名を知らされた時、ママは「大丈夫だからね」って言ってくれたけどママの目は真っ赤になっていた。
いつ病気が襲ってくるか分からない、現実と夢の区別がつかない恐怖。休みがちな学校ではサボりと言われ仲の良かった友達もいなくなってしまった。
そんな事考えながら朝ごはんを作っているママにあいさつをする。
私がいつ起きるか分からないからママはいつもいつもご飯とお弁当を作ってくれる。
「ママっ!!おはよう。」そう言うとママは少し驚いた様子で「香菜おはよう。」と言った。「ママ、私何日寝てたの...?」「8日よ...さぁ朝ごはん食べましょ?」8日間も眠ってたんだ。
ご飯を食べ終え、高校に向かう。
学校では1人だ。だけどそんな私を気にかけてくれる人がいた。