どこからか体育館でバスケをやってる音がする。


いつもこの音を聞くのが当たり前になっていた…

キュキュッ

バッシュが体育館を走る音。


バシュッ

シュートする音。


私は毎日HRが終わってからの10分間体育館に近いこの教室で精神統一的なものをしている。

そこらが聞こえるバスケをやっている音が好きだ。

約10分そうしていると


「花ー!部活行くよー!」

親友の夢(ユメ)が呼びに来てくれる。

今日夢は日直だったため、職員室に日誌を渡しに行っていた。

私達は、今月高校に入学したばかりで夢とは気が合い、高校から新しくできた友達。

中学では2人ともバレボールをやっていたから高校でもバレー部に入部した。

私達の高校は特別強いわけでもなく、弱いわけでもない。いわゆる普通な高校だ。


私達はこれから部活に行く。

『夢、部活行こっか。』

私達は部活に行く準備をした。

すると、夢が

「花ってさー、彼氏作らないん?」

夢が私に急に彼氏の話題を振ってきた。

『んー、私達まだ高校に入学したばかりでそれは早すぎないかな?あと、バレーに集中したいし。』

実は私は中学の頃彼氏がいなかった。というか、年齢=彼氏いない歴ってやつだ。

特別彼氏が欲しいと思ったことはないし…


「えー!花ならすぐできそうだけどねー!

あっ!年上とか狙っちゃえば?」


夢が目をキラキラさせながら、年上の人との恋とか憧れる〜って言っていた。

私にはよくわからない。

『年上とか絶対ありえないでしょ。同級生がいいわ。』


年上は絶対に嫌だ。


年上の人との嫌な思い出があるから…

「っん!かれん!大丈夫ー?顔が青いけど…」

いけない。過去のことを思い出しちゃいそうだった。

やめよ!今は先のことを考えなくちゃ!

夢を心配させたくない。


『ごめんごめん、なんでもないよ!部活行こっか!』