「ーー私はね、いつかこの大きな海を、大きな船で泳ぎ回って、まだ誰も知らない無人島を見つけたり、海中に沈んでしまっている未知の遺跡を見つけたりする事が夢なの!!!」


白い砂浜の上で私はクルクル回って、今着ている白いワンピースの裾を人工的に膨らませる。

砂を蹴りながら、後ろに重心をかけ、ゆっくりと足の砂を滑らしながら倒れ込み、親友のちひろの顔を覗き込む。


「ーーそう。」


その顔はいつもと変わらず無愛想な顔で、否定もしなければ、肯定もしないという、ちひろ独自の返事の仕方であった。

(ただ、面倒臭いという事もある。)


ちひろは読書が趣味で、今も何か、分厚い本を読んでいる。



「ーーねぇ、ちゃんと聞いてた??」

表情の硬いちひろに私はもう一度熱意のこもった想いをぶつける。


ーーが、それでも私には同じ言葉しか帰ってこなかった。