―それから何週間か経って…



もう学校にも慣れた頃、


あたしの寝坊癖はちょっとばかり出てきてしまい、

毎朝、樹の機嫌を損ねていた。




「お前さぁ、いい加減にしろよ」

相変わらず不機嫌な顔がよくお似合いの樹くんは、今日はあたしの家のリビングのソファで待たせられていた。



「…ご、ごめんっ!本当にごめんっ!!」

そう言いながらあたしは洗面所とリビングを行ったり来たりしていた。



「本当にいつもごめんねぇ~

…でも、何だかんだこうやって愛梨といっちゃんが一緒に学校に行くのは小学校からずーっとよねぇ」


お母さんは樹にニコニコと満面の笑みで話し掛ける。



「確かにそうっすねぇ」

樹は普段なかなか見せない軽い笑顔でお母さんに言葉を返す。




「このままいっちゃんが愛梨の傍にずっといてくれたら…

あたし…凄く嬉しいわぁ~、ね?あなたっ」


またまたさっきよりも更に笑顔でお母さんは笑い、今度はお父さんに話しかける。




お父さんは『そうだな』って少しだけはにかんで、

そのまま視線を新聞に移した。




まぁ、そんなこんなであたし達は、家を出て行った。