あたしは頬杖をつくと、美菜から目を逸らした。



「…うっそだ~っ!

愛梨ちゃんは、好きだから困るんだ~」


つかさず美菜はあたしの顔を覗き込んでくる。


…なんなんだろ?

美菜のこの食いつき具合は、



「だから…、

本当だって!何となく、何となくなのっ!!」


「見栄張っちゃって~」

美菜は嬉しそうにそう言って笑いながらあたしの肩をツンツンと指で突っつく。



「張ってないからっ!」


「ふ~ん、ふ~ん」



絶対まだ納得してないだろうな、

でもまぁ、とにかく…、


変なことを考えるのはやめておこう。



そう思って、あたしは何も深く考えないようにした。



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────…。







最後の授業も終わり、もう帰りの時間になった今。

あたしは困っていた。





「ごめんっ

…今日は先に帰ってて、?」


あたしは、チラチラと樹の顔色をうかがいながら、そういうと目の前で手と手を合わせて頭を少しばかり下げる。