…愛梨Side




あたしの人生は今この瞬間をもって終了した。




「…でもっ、…付き合って三ヶ月以上経つのに、


その、…えっちしないのはおかしいって…、だからあたしのこと、…うん」


嫌いって言ったら樹が怒るから、『嫌い』って言葉は言わなかったけど、

もうこんな変態女なんて樹は嫌いになったのかもしれない…



もしかしたら…、

『は?…気持ち悪いんだけど』



そう言われてあたしはこのまま部屋に取り残されて、そんで…、帰りも目を合わせてくれなくて、最終的には…







「…聞いてる…っ?」


頭の中での妄想壁が最終段階まできた時、壁にもたれ掛かってしゃがみ込んでいるあたしの頭上からそんな声がする。



聞いてる…?




「…っ、え?」


「聞いてなかったのかよ…」


ハァっとため息をついて樹はそう言うと、あたしの頭に手を置いた。



…もしかして、別れ話?

聞きたくないっ!嫌だ嫌だ…



無意識にもあたしは、自分の両耳を塞いでグッとおもいきり顔を伏せる、



「…嫌だっ!」


「おい…、愛梨っ」


「そんなの…、聞きたくないよぉ…っ」




両目からまた涙がドッと溢れ出してきた。