…こんなの初めて、
あたし以外の女の子と樹が2人っきりで帰るなんて。
もしかして、…朝のあの事が原因?
“樹が誰となにしようと…
あたしには関係、ないじゃない”
…だって関係ないでしょう?
関係…ない?
「ただいまぁ…、」
「おかえりなさ~いって…
…あら?
今日は何だか元気ないわねぇ
それよりっ!智ちゃんに、この煮物、届けてきてくれる?』」
お母さんはそう言って、あたしに煮物が入ったタッパを渡した。
「え、ちょっと…今日は…っ」
「頼んだわよぉ~」
あたしの言葉になんか耳にも止めず…
多分、キッチンに戻ったんだろうと思う。
あぁ…、
行きずらいのになぁ。
そう思いながらも、あたしは再び家を出た。

