「吹季ー!早くしないと遅刻するわよー」


「今行く〜」


30分刻みに鳴る携帯のアラームを自分で設定したのにもかかわらず、イラッとしながら止めて急いで制服に着替えると一階のリビングへダッシュで向かう。


「おはよ。ほら、早く食べなさいっ」


キッチンから微かに聞こえる卵焼きを焼いている音。この音がなぜか心地よく聞こえて私は好きだ。


そしてフライパンを動かしながら鼻歌を歌ってるのが、私のママ。白石 由梨子(しらいし ゆりこ)


美人でいつも明るくて、頼りになる主婦。


「おっ、おはよ吹季。今日の制服のリボンの歪み方いいね〜!絶妙!アッハッハ…」


今喋ったのが、私のパパ。白石 透( しらいし とおる)


ママの作った朝食を美味しそうに食べながら、私が急いで着た制服が見事に着崩れしているのを見て爆笑している、らしい…


ぽっちゃり体型でかなりの天然系。時に頼りがたいが誰よりも家族思いの優しいパパ。

ちなみにこう見えて大学教授。