『あと少しで着くからな。』 ボソリと呟く声が聞こえて薄っすらと目を開けていた。 病院につくと蒼は私を抱きかかえて自分の診察室へ駆け込んだ。 連絡をしていたのか看護師が待機し、点滴の用意もしてあった。 すると私の薄っすらと開けていた目に気づいた。 『綾乃! 病院着いたからな! 診察して点滴しような!』 そう言うと私の脇に体温計を挟み、聴診をし、腕に点滴を刺した。 さらに熱が上がっていたようで、意識がはっきりとせず蒼が何か言っていたのがよく分からなかった。