『…ぁ…やの?……あやの?…』

誰かの声がして眠りから目を覚ますと私の担当医である蒼の心配そうな顔があった。



『遅くなってごめん。
辛いよな、いま病院行くからな。』



『うん…』



『息苦しくないか?』



『かなり…』



『わかった。
 一回吸入しような。』


蒼に支えられてやっと起きた私はゆっくりと起き上がり、吸入をした。



『立てるか?』


無理と答える体力はとうに無かった。



とりあえず私はベットから足をおろして立ってみようとしたが案の定膝から崩れ落ちてしまったのを蒼が受け止めてくれた。



その後蒼にお姫様だっこされて高級そうな黒塗りの車の後部座席に乗せられた。