『やっと来たか。…』


司がそうつぶやくと、息を切らしながら保健室に入ってきた男は綾乃の担当医の城田蒼だった。



『わりぃ。
 急患入って仕事長引いちまって…
 綾乃はここのベットか?
 それと病院運ぶ前に状況だけ聞かせてくれ。』



『あぁ。そうだ。
 ここに来た時は38度5分で、
 10分くらい前、寝てる間に計ったら
 39度5分だった。
 だんだん熱が上がってる。』
 


それだけを聞くと蒼は綾乃を起こし始めた。