君がやっと口を開いた。



「一生懸命練習したいな、美音みたいに。」



小さな、小さな、声だった。





そして教えてくれた。

風也君がレッスンを休む理由を。


君は病気だったんだね。

いつ倒れて死ぬかわからない。

だから心臓に負担をかけてはいけない。

スポーツもだめ。

ほんとはフルートもだめ。

でもどうしてもやってみたくて、

通ってる病院の近くにあるフルート教室に入った。

練習の制限は一日10分。

体調が少しでも悪い日はだめ。

だから、どんなに好きでも練習が限られてくる。

君はそう言って俯いた。