ため息をつくと電車を降りた。

慣れない駅。

ここも1年ぶりだなー


病院行って葬式行った記憶は曖昧で、

3年という長くて短い時間をもてあましている。


谷口家が見えてきた。

真子さん(悠の母)ひとりで住むには大きすぎる家。

玄関に入る。

「こんばんは。上村です。」

奥から真子さんの声がする。

「あ、可奈ちゃん?どうぞ、入って。」