「いるよね、たまに。

でもしょうがないよ。

こっちにとってはお客のうちのひとりでも、

相手にとっては一生に一度だろうしね。」

ゆっくり諭すような言い方になってしまった。

「だよなー。」

ふたりでため息をつく。


「あ、私降りるね。」

「ああ。じゃあな。」

電車を降りたその瞬間。