ヤジ先の声と 黒板に何か書く音が カッカッ と響く。 ふわっ 春の匂いが混じった微かに冷たい風が 窓際の俺の席までカーテンを踊らせた。 「……」 窓から見る空は 青々としていて雲の流れがわかる。 そんな雲の流れとともに、 俺の心の中で 止まっていた何かが流れ始めたような気がした。