さらに面倒なのは、わたしの性格。
下に妹が一人、弟が二人いるわたしは、根っからの世話焼き気質なのだ。
そのせいで『お姉ちゃんみたい』『お母さんみたい』と、昔からちょくちょく言われる。
実際、皆よりも年上な時期が長いのと、浜飼音々(はまかいおとね)という名前も手伝って、わたしのあだ名は『ねーね』になった。
「嫌だ……遅生まれイジりはもう嫌だ……」
「はぁ? ねーね、そんな事気にしてたのぉ?」
亡霊のように「嫌だ」と繰り返すわたしに、マヤはにやにやしながら「ねーね」という部分を強調して言った。
うるさい、三月生まれの愛されガールが!
どうせ一年間共に過ごしたクラスメイトから愛情たっぷりに祝われたんでしょ!
プレゼントなんかも貰っちゃったんでしょ!
「そ、そんな睨まないでよ……あ、ホラ新しいクラス見よーよ! 知り合いとか意外と多いかもよ!」