「何で倒れてたの?」 「お腹が空いて……立つことに割くエネルギーが残っていなかったので」 「うん、いや、それは分かってるんだけどね?」 いまいち話のテンポが掴み辛い子だなぁ。 「何でそんな……空腹で倒れるまで食事を摂らなかったの?」 「…………」 黙ってしまった。 大きくて憂いを帯びた瞳からは、何だかぼんやりとした印象を受ける。 感情が読み取りにくいため、わたしはヒヤヒヤしながら彼の返答を待った。