「あの……本当にありがとうございます…………」


雨野くんは、マヤがダッシュで買ってきたおにぎりやパンを全てたいらげ、床に手を付いて深々と礼をした。


「お陰で助かりました。あなたたちは命の恩人です」


そう言いながら薄く微笑む雨野くん。

わたしは思わず彼の顔から目を逸らした。


か、可愛い……。


改めて思うが、この子は女子顔負けの可愛らしさを持っている。

本当は女子なんじゃないだろうかと錯覚するほどだ。

ちゃぶ台越しでも心臓が高鳴る。