「あっ! 起きた!」


マヤが声をあげる。

その一言によって彼の意識は覚醒したのか、雨野くんは途切れ途切れにこう言った。


「すみ……ません……何か、食べるもの、を……いただけますか…………」


「…………」

「…………」


わたしはマヤと顔を見合わせた。




これが、わたしと雨野くんの出会いだった。