高鳴っている心臓の鼓動を抑えるため、わたしは深呼吸を一つしてから、彼の肩を揺すった。


「ね、ねぇ……雨野くんだよね? 大丈夫!?」

「……ぅ…………」


耳元で呼びかけると、小さな唇から僅かに呻き声が発された。


「あ……雨野くん!? しっかりして!」

「う……ん……」


更に声を大きくすると、雨野くんは薄らと目を開いた。