「さて、浜飼。もう道田から聞いたとは思うが、このクラスの学級委員長にお前が選ばれた」

「辞退させていただきます」


薄々感づいてはいたので今更大袈裟に驚くなんてしない。

わたしは礼儀正しく深々と頭を下げ、先生の言葉に食い気味で委員長になるつもりは無いという旨を告げた。


「申し訳ありません。大変貴重なご提案ではありますが、御希望に沿えそうにございません。今回はご遠慮させていただきたく存じます。それでは失礼致します」

「まあ待て。逃げるな」


感情を殺し社交辞令100%の言葉を並べて立ち去ろうとしたわたしの服の袖を、朝山先生ががっちりと掴んだ。