「光野さん!?何であなたが戦ってるの!?」

増援に来た第二光描部隊の一人が言った。

「このシンクを倒して昇進——とか考えてないでしょうね!?」

「光野さんは支援役っていうか、引き立て役じゃん!変なこと考えないで魔力を渡してよ!」

「どうせ威力の低い攻撃で時間を取るんでしょ!待ってられないわ!今そんなつまらないものを見る気はないの!」

光野さんを良く思っていないらしい。集まった人々からは心無い言葉が次々と出てくる。

「どうします?今のうちに私たちが……」

「いや、光野に任せろ」

矢矧隊長は足利さんを制止した。
矢矧隊長がそう判断したなら、私たちは逆らわない。


「私だって第一光描部隊の一員です……」

仁登里の魔力が満ちたようだ。指輪が光った。

「引き立て役にもならないような人と一緒にしないで!」

強い光を纏った腕でシンクを力一杯殴る。

シンクの魔力と仁登里の魔力がぶつかる。眩しくて目を開けられない。

覆っていた手を下ろして、目を開けると、シンクの白い装甲が割れていた。

「なるほど……装甲で身を守っていたのか……」

「隊長、今なら行けます!弱点が剥き出しになっていますよ!」

隊長と足利さんがシンクの弱点、真ん中の青い宝石に攻撃する。

何をしても生き残っていたシンクは、あっさり消滅した。