『雄side』
俺がさっきから気になっていた生徒、南ゆまの自己紹介の時間がきた。
南はみんなが必死に友達を作ろうとしている中ずっと1人で本を読んでいた。
誰も寄せ付けない。
関わらないで。
そんなオーラが溢れ出ていた。
「南ゆまです。よろしく。」
南はそれしか言わなかった。
「南、なんか自分の好きなこととか無いのか?みんなにもっと南を知ってもらえよ。」
俺が言うと…
「好きなことは無いです。好きな時間も。それにみんなに知ってもらわなくても結構です。」
南は光のない冷たい目で言った。
教室の空気は明らかに重かった。
だけど俺は南のことが気になってしょうがなかった。
「南、お前今日放課後のこれ。」
「嫌です。」
即答だった。
教師に言われてそこまではっきり断る生徒がいるだろうか。
ホームルームが終わった休み時間。
「岩見先生!」
声がした方を見るとA組の
えーっと…誰だ?
ふわふわのボブヘアの彼女は俺の心を読んだように言った。
「出席番号25番の山川紗良です。先生のクラスですよ?忘れないでください!」
少し幼く見える彼女は笑うと目がすごく細くなる。笑顔が印象的だ。
「なんだ?」
「同じクラスに南ゆまっているでしょ?
私あの子の友達なんです。」
俺はドキッとした。
これは恋愛感情でも何でもなく、ただ気になっていた生徒の名前だったから。
「あの子、仲のよかった親が離婚しちゃって心を閉ざしかけてるんです。前はもっと明るい子だったのに…。今はどちらにも引き取られずに学校近くのアパートで一人暮らししてます。」
一呼吸ついて山川はもう1度口を開いた。
「あの子も色々不安だと思うんです。先生が担任になったのも何かの縁だと思うのであの子のことよろしくお願いします。」
ニコッと笑って彼女、山川は走っていった。
それにしても…両親が離婚…。
高校生で一人暮らし…?
俺は山川を追いかけた。
俺がさっきから気になっていた生徒、南ゆまの自己紹介の時間がきた。
南はみんなが必死に友達を作ろうとしている中ずっと1人で本を読んでいた。
誰も寄せ付けない。
関わらないで。
そんなオーラが溢れ出ていた。
「南ゆまです。よろしく。」
南はそれしか言わなかった。
「南、なんか自分の好きなこととか無いのか?みんなにもっと南を知ってもらえよ。」
俺が言うと…
「好きなことは無いです。好きな時間も。それにみんなに知ってもらわなくても結構です。」
南は光のない冷たい目で言った。
教室の空気は明らかに重かった。
だけど俺は南のことが気になってしょうがなかった。
「南、お前今日放課後のこれ。」
「嫌です。」
即答だった。
教師に言われてそこまではっきり断る生徒がいるだろうか。
ホームルームが終わった休み時間。
「岩見先生!」
声がした方を見るとA組の
えーっと…誰だ?
ふわふわのボブヘアの彼女は俺の心を読んだように言った。
「出席番号25番の山川紗良です。先生のクラスですよ?忘れないでください!」
少し幼く見える彼女は笑うと目がすごく細くなる。笑顔が印象的だ。
「なんだ?」
「同じクラスに南ゆまっているでしょ?
私あの子の友達なんです。」
俺はドキッとした。
これは恋愛感情でも何でもなく、ただ気になっていた生徒の名前だったから。
「あの子、仲のよかった親が離婚しちゃって心を閉ざしかけてるんです。前はもっと明るい子だったのに…。今はどちらにも引き取られずに学校近くのアパートで一人暮らししてます。」
一呼吸ついて山川はもう1度口を開いた。
「あの子も色々不安だと思うんです。先生が担任になったのも何かの縁だと思うのであの子のことよろしくお願いします。」
ニコッと笑って彼女、山川は走っていった。
それにしても…両親が離婚…。
高校生で一人暮らし…?
俺は山川を追いかけた。
