『ゆまside』

人はいつかは自立していくもの。


いつかは親に頼らず一人で生きていくもの。


私はそれがちょっと早かっただけ…。


そう。ちょっと…







去年、私は中学を卒業した。


〝卒業式〟はすごく感動して大好きだったけど


〝卒業式の日〟は大嫌い。


だって、私の大好きだった家族が


バラバラになってしまったから_____






その日の夜は大きな音がしてリビングに行った。


いや、行こうとしてやめた。



最近多い夫婦喧嘩。



仲が良くて自慢だった両親の姿はどこにもない。



「いい加減限界だ。」「そんなの私もよ!」




「ゆまはどうするの?あの子はまだ15歳よ?」



「その辺にアパート借りてやれ。あいつならやっていけるさ。」



お母さんのすすり泣く声。







なに?何が起こってるの?









「これを明日持っていこう。」














離婚届_____









遠目でもしっかりと読めた。



もう限界なんだ。




これまで楽しかったな。




これからは1人か…。








でも私は強い。1人でもきっとやっていける…。