家に帰るとお母さんが、出かける準備をしていた。「ただいま」「早く支度しなさい。今日は、映画見に行く日でしょ」お母さんは、まゆみの目の前にチケットを出した。『凸凹コンビ 新たな事件』ヤクザ物の映画だ。「きゃー、忘れてた。あー、発作起こしそう」「起こさないで、とにかく早く支度しなさい」まゆみは階段をかけあげた。黒いワンピースと革ジャケットを着ると部屋を出た。「行こう、早く」まゆみはチケットを財布に入れると鞄をとって家を出た。「うわぁ、お母さん、写真撮って」まゆみは、凸凹コンビ 新たな事件と書かれたブースに入った。中には実物大の二人が立っていた。間に隙間があってそこに立ち写真を撮った。「これ、四作目なんだね」「うん。一作目は中一の頃の一月」「よく覚えてるね」「だって、こんなにヤクザ似合う人もいないと思ってたから」