入学式が終わり、私たちは外に出た。外には、BMWが止まっていた。「大海さま。ですか」出てきた男性が聞いた。赤いストライプシャツに黒いジーンズ。髪の端を剃っていて目には眼帯をしていた。「そうですけど」「若頭に頼まれて来ました。」「あ、迎えまで…」私は周りの目を気にした。私がいつも気にしていることは他人にとってはもっと気になることなのかもしれない。大体、兄貴とか若頭て何?私のいつもの質問だ。そんなのヤクザ物の映画や小説にしか出てこないし…。