「ごちそうさまでした」3人は、手を合わせて言った。「もう8:30よ。」お母さんが時計を見ながら言った。「行ってきます」私が出ようとしたその瞬間二人の男性が入ってきた。一人は、黒いスーツ姿の鋭い目と髪をオールバックにした男性。もう一人は、ダボダボのシャツ、ダメージジーンズ、肩のところに龍の刺繍のある男性。「まゆみちゃん。おはよう」オールバックの方が言った。「再道さん。おはようございます」「あら、再道さん。どうしたんですか。」「ちょっと、話がある。おい、お前は下がっとけ」再道が男性に声をかけると。その人は頭を下げて家を出た。家の前には、ポルシェが止まっていた。「あら、この子たちは」「大池あゆなちゃんと歩美ちゃん。近所の子」「そう、初めまして。再道宅斗です。兄貴に頼まれて迎えにきた。」「迎え」私はキョトンとした。「君たちの学校、際山龍も通ってるんだろ。」宅斗は、私達に笑顔で言った。「はい、でも」「大丈夫、校長とは仲良いし兄貴には世話になりぱなしだし」宅斗はそう言うと私たちを車の方に連れて行った。