大海まゆみは、高校入学を機に田舎から東京に引っ越してきた。田舎といっても訛りはなく普通の標準語を使っている。まゆみの母親は、若い頃フーゾクで働いていてそこで将来の夫つまりまゆみの父親と出会った。まゆみのお父さんは、南星署組織犯罪対策部暴力団担当の捜査官だった。まゆみのおじさんは、関西一のヤクザ組、藤部会の若頭にして大海組の組長をしていた。まゆみにとっては、優しいお父さん代わりみたいな人だった。しかし、ある日を機にばったり会わなくなった。お母さんを問い詰めるとヤクザだということそして殺人未遂で逮捕されたことを知った。その頃お父さんは、仕事が忙しくて帰って来るのは寝るときだけそれも月に一回だった。
お母さんは、体的にも心的にも限界だった。そのため、まゆみが気がつく前に離婚していた。
その後、釈放されたおじさんはヤクザを引退してまゆみにとって本当のお父さんになった。しかし、二人は婚姻届を出していないため法律的には夫婦ではない。おじさん(これからはお父さん)は、引退後始めた不動産業で大成功した。今でも、たまに当時の仲間が家に来てまゆみと遊んでくれる。