見ると、ケイタがカラオケとは逆の方向に向かって歩き出していた。帰るのかな。

「サトシさんと二人で行っておいでよ。私は帰るね」

サトミ達がいい感じだったから、邪魔なような気がして居にくかったのだ。


私は二人と別れケイタを追いかけた。彼が歩く方向には私のアパートもあるのだ。


「ケイタもこっちの方向なの?一緒に帰ろう」

「うん、カラオケ行かなくてよかったの?」

「あの二人の邪魔になるし」


ケイタと二人でいることに嫌な気はしなかった。あまり気を遣わなくてもいいし、話していても面白い。

このまま二人で二軒目に行っても良かったけど、飲み屋街からは既に遠ざかってしまっていた。