カランカランカラン

マスター「やあ」

斎藤「こんにちはです」

マスター「何か飲むかい」

斎藤「コーヒーを頂けますか」

マスター「お安い御用ってもんだ」

斎藤は、少し高い、カウンターの丸いすに腰かけた。

マスターは、コポポポポ、とコーヒーを、サイフォンに、注いでくれた。嬉しい瞬間だ。

マスター「どうだね、仕事は」

髭のマスターは、優しく聞いてくれた。

斎藤「どうなんですかね…」

斎藤は、汚なく笑った。

マスターは、心配し、彼を思いやった。

マスター「大丈夫かい?」

斎藤「けっこうキツイですけどね…どうなんだろ」

マスター「そうか…ほら、ハイ、コーヒーです。どうぞ、召し上がって。」

斎藤「ありがとうございます。」

斎藤は、涙が出るくらい嬉しかった。

マスター「それはそうと、書いてきたかい?」

斎藤「本当に見たいんですか?」

マスター「当たり前じゃないか。書いて来たの?」