「僕は感謝しています…という感情を、もっと態度に反映しなさい、と言っているだけよ…。お金なんていらないわ…」
「そうだったのか…。じゃあ、改めて…」
僕は、敢えて少し間を置いて、深く頭を下げた。
そして。
「助けていただき、ありがとうございました!」
半分叫ぶような口調で、再びお礼の言葉を伝えた。
「やればできるじゃない…。てっきり、無知無能のクズ野郎だとばかり思い込んでいたわ…」
「僕の事をそんなに下劣な存在だと思っていたのか!?」
「…今のツッコミで、マイナス20点。貴方の持ち点は、あと27点よ…」
「それは何の点数だ!?」
「人間としての価値、よ。100点スタートの減点方式。下らない事や悪事を働くと、点数が減るの。」
「ツッコミが下手でマイナス20点っていうのは百歩譲って許そう。でも、何でもう持ち点が27点しか無いんだ!?」
「貴方みたいな低劣な人間には、もうそのくらいしか残っていないかな…と思っただけよ。別に、深い意味はないわ。」
「……」
…酷い言われようだな、僕。
まぁ、結果的に僕の起こした厄介事に巻き込んでしまって迷惑をかけたワケだし、それだけでなく、結局、助けてもらった形にもなるワケだ。
ならば、感謝しないわけにはいかないな。人として。逆らうなんて以っての外。
それに、本人が望んでいないとしても、お礼として何かを渡すのが筋というものだろう。
なので。
「これ…受け取ってくれよ。はした金だけどさ。」
「いらない、と言ったのが聞こえなかった?それに、本当にはした金じゃない…。もう一つ0がついたら貰ってあげない事もないのだけれど。」
「…それは無理です、すみません…」
僕は、知っている。
これはコイツなりの遠慮なのだ、と。
スミレは昔から、自分の感情が素直に表現できないヤツだった。それに加えて、男への強い嫌悪感と、異常なまでの清純さへのこだわり…それらを持っていた。得に後者は、僕達の訣別の原因にもなったほど、根深く、そして激しいものだった。いや、先程の男に触られた時の反応から推測するに、今もそうなのだろう。
「そうだったのか…。じゃあ、改めて…」
僕は、敢えて少し間を置いて、深く頭を下げた。
そして。
「助けていただき、ありがとうございました!」
半分叫ぶような口調で、再びお礼の言葉を伝えた。
「やればできるじゃない…。てっきり、無知無能のクズ野郎だとばかり思い込んでいたわ…」
「僕の事をそんなに下劣な存在だと思っていたのか!?」
「…今のツッコミで、マイナス20点。貴方の持ち点は、あと27点よ…」
「それは何の点数だ!?」
「人間としての価値、よ。100点スタートの減点方式。下らない事や悪事を働くと、点数が減るの。」
「ツッコミが下手でマイナス20点っていうのは百歩譲って許そう。でも、何でもう持ち点が27点しか無いんだ!?」
「貴方みたいな低劣な人間には、もうそのくらいしか残っていないかな…と思っただけよ。別に、深い意味はないわ。」
「……」
…酷い言われようだな、僕。
まぁ、結果的に僕の起こした厄介事に巻き込んでしまって迷惑をかけたワケだし、それだけでなく、結局、助けてもらった形にもなるワケだ。
ならば、感謝しないわけにはいかないな。人として。逆らうなんて以っての外。
それに、本人が望んでいないとしても、お礼として何かを渡すのが筋というものだろう。
なので。
「これ…受け取ってくれよ。はした金だけどさ。」
「いらない、と言ったのが聞こえなかった?それに、本当にはした金じゃない…。もう一つ0がついたら貰ってあげない事もないのだけれど。」
「…それは無理です、すみません…」
僕は、知っている。
これはコイツなりの遠慮なのだ、と。
スミレは昔から、自分の感情が素直に表現できないヤツだった。それに加えて、男への強い嫌悪感と、異常なまでの清純さへのこだわり…それらを持っていた。得に後者は、僕達の訣別の原因にもなったほど、根深く、そして激しいものだった。いや、先程の男に触られた時の反応から推測するに、今もそうなのだろう。
