「...うん。」


「取り敢えず、予期せぬ出会いに...乾杯!!」


「...乾杯。」


一口含むと、ラムのいい香りが口の中に広がった。

今まで何度もいろんな店で、モヒートを飲んで来たけれど、比べ物にならないくらいの美味しさだった。


「これが、モヒート...........。今まで飲んでたやつはなんだったんだろ。」


「だろ?びっくりするよな?...........ここだけの話、結構有名人も、お忍びで来てるらしいよ。」


「えっ?!そうなの??...........でも確かに、ここのオーナー若そうなのに、只者じゃないオーラ醸し出してるもんね?」


「あぁ、綾野さんな。あの人目当ての客、そこら中に居るよ。男女関係無くね。かなりのモテ男だよ。...........でもなぁ~、決まった恋人はいないみたいなんだよね~。不思議だよな?」


「へぇ~.............。」


遠くの方で接客している、綾野さんを眺めてみる。

確かに、接客中の客以外の、周りの席の客も、さっきから綾野さんを目で追っているのが分かる。


「な?」


「なるほど...........魔性のオーナーね。私も既に心掴まれたかも...........。」


「えっ?!!綾野さんに惚れたのかっ?!!」


「うん。めっちゃハマりそう。」


「...........マジかよ。」


「プッ!!冗談だって!...........バカね。」