起きがけの蒼が、私をブランケットで包みながら、そのまま抱き締める。
「...........泣いてるの?」
「啓介に、ちゃんと話したの...........私達の事。」
「それで何で泣くの?何か酷い事言われた?」
「...........そうじゃないの...........。」
何故か涙がまた零れていく。
「もしかして...........俺の事、後悔してる?」
「それは違うっ!!...........絶対違う。」
抱き締める力が強くなる。
「じゃあ、どうして泣くの?」
「幸せ過ぎて...........泣きたくなるの...........。」
「何それ...........そんな事言われたら、どうやって泣き止ませたらいいのか分からなくなるじゃん...........。」
「フフッ...........ごめん。女は幸せ過ぎて泣きたくなる事もあるのよ?...........大丈夫だから。」
顔を見ようと身体を離そうとすると、余計強く引き寄せられた。
「...........蒼?」
「...........。」
「もしかして...........泣いてるの?」
「.........情けなくてごめん。俺、今変なんだ...........。浮かれたかと思うと、急に不安になって..........今朝だって、硝子さんが隣に居ないだけで、昨日の事は夢だったんじゃないかって、怖くなって...........それで探しに来たんだ。」



