「ここがこうだから…」
レイは地図と方位磁石を見ている。
サワサワと風が木の枝を揺さぶる。普通の森。これでも別世界なんだと思う。
「あの、レイって何歳なの?」
「17」
あっ良かった…さっきからタメ口だったけど年上だったら失礼かなと思っていたところだった
「じゃあ同い年だね」
「…ねぇ、クロエの夢ってなに?」
レイは足を進めながら言う。風に揺られてサラサラとレイの髪の毛は日光に当たってキラキラと白銀の色が増す。
「…話し屋」
「はなしや?」
私は、自然の空気を吸いこう言った
「自分でおとぎ話を作って学校の子供達や病院にいる子達に聞かせるの。」
自然の空気はとても綺麗だ
「戦争をしているこの世の中、皆が元気になるようなわくわくするような世界に連れていくの。そして皆まだ生きようって思ってくれたらって…」
そう、そんな物語を作ろうって…。
私はレイについていく足を止めた。
「クロエ…?」
レイは振り向く。
レイなら、聞いてくれるかな。
「あのね、」