「皆、レイ兄ちゃんは2日ほど家を離れるからちゃんといい子でね。困った事があったら1番年上のユン兄ちゃんに言ったらいいから」
出発の朝、レイは子供達を集めて優しく説明した。レイはユン、ご飯とかこの子達の世話任したからなと10歳のユンくんに力強く託した。
皆、レイ兄ちゃんがいないなんてなんかドキドキするなーとワクワクしていたが、その中で1人だけ不安そうな顔をしていた。レイもその子に気づいた。
「リリィ、帰ったらまた花冠作るからね」
リリィちゃんは小さくうん…と言った
「じゃあ行ってくる。」
レイはリリィちゃんの頭をポンポンっと撫でた後、深い森のほうへと眼差しを向けた。
「皆、短い間だったけどありがとう。楽しかった」
私が笑顔でそう告げると皆はまたねー!バイバイー!と手をふってくれた
私は皆と別れるのがなんだか悲しいような気がしてすぐ前を向き、レイの後をついていった。
レイが森へ足を踏み込む。

その途端、走って後ろからギュッとレイに抱きついた子がいた
「リリィ…」
リリィちゃんは震えている泣き声で
「絶対帰ってきてね」
と辛そうに言った。私はそんな姿をみているのが辛くて、辛くて
「リリィちゃん」
声をかけた
「レイお兄ちゃん絶対帰れるように私が守るね。約束」
私は小指を出した。するとリリィちゃんもそっとその小指に小指を絡ませ
「絶対だよ…?」
「うん。絶対。だから大丈夫」
その言葉を信じてくれたのか、リリィちゃんはゴシゴシと涙を拭って笑った。