「あともうちょっとだからね」
私とリカさんは林の中へと歩いている。
「はい」
「大丈夫?元気ないけど…」
「…レイと別れてから、とても心がちぎれそうな程、辛いんです。とても、言葉で表せないほど切なさと恋しさで辛いんです」
私はレイの最後の顔を思い出した。すると目からはじわじわと涙がでてきそうになった
「お嬢さん、それは…」
リカさんは空を見つめながら言った
「レイに恋してんだよ」
私はその言葉を聞いて泣きだした。静かに涙は流れていく。
「そ、ですか…」
気づいてたことだ。私はレイに恋愛感情をいつの間にか抱いていた。それがとても、もどかしく、レイとの別れがとても悲しいものにしている。
「ほらついたよ。この霧の中へと行けば現実に帰れる」
リカさんは霧の前で立ち止まり、こちらを優しい目で見た。
私は霧の前へと立つ
「あっちでもがんばるんだよ。強く生きるんだよ」
私は涙を拭いながら
「はい」
とこたえ、その霧の中を進んだ。